36話 手を取り合う時
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「そうか、ようやくキムラスカが会談をする気になったか」
グランコクマに戻りピオニーに報告するために宮殿に訪れた。事の経緯を説明すると安堵の息を吐く。
「キムラスカ・ランバルディア王国を代表してお願いします。我が国の狼藉をお許し下さい。そうしどうか改めて平和条約の……」
「ちょっと待った。自分の立場を忘れてないか?」
前へ出て謝罪の言葉を口にするナタリアにピオニーがストップをかける。何に対して止めの言葉を掛けられたのかわからないルークとナタリアにピオニーは、あなたがそう言っては、キムラスカ王国が頭を下げたことになる。そう言い今度はジェイドを見る。
「……止めないのも人が悪いな、ジェイド」
「おや、ばれてましたか」
質の悪い親友に小さく息を吐く。当のジェイドはまたわざとらしくそう言って笑みを浮かべる。彼のこう言うところは今に始まったことではないけど、場の空気は読んだほうがいいような。
「ここはルグニカ平野戦の終戦会議という名目にしておこう。で、でこで会談する?」
終戦会議……表向きはそう言うことにし、世界が崩落しかかっているのはまだ伏せておくということなのかな。いきなり崩落すると言われてもするだけなんだろう。まずはそのための談義を醸し出さなければ、ただ混乱するのみ。
「本来ならダアトなのでしょうが……」
難しい表情のジェイド。それにイオンが今はマズイからモースの息のかかっていない場所が望ましいと声のトーンを落として言う。
「ユリアシティはどうかな、ティア」
「え?でも魔界よ?いいの?」
目を丸くするティアに、むしろ魔界の状況を知ってもらった方がいいと、外殻を降ろす先は、魔界なんだからと続けた。今の魔界は瘴気に覆われている。その現状を知る機会を会議と一緒に設けようということなんだろう。