36話 手を取り合う時
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「……はぁ」
アルビオールの水上走行でグランコクマに向かっているのはいい。ただ妙に重たい空気が流れていて正直私としてはここから逃げ出したい。が、私は今、窓側に座っていて隣にジェイドがいる。そして後ろにはガイ。すみません、誰か助けてください。気のせいかもしれないけど視線を感じる。寧ろ威圧的?理由はわかってるんだけど、ね。
「どうかしましたか?」
溜息なんて吐いて。と聞きますか、あなたが。この空気の原因の一つだというのに。溜息の一つだって吐きたくなる。だけどそれを言うとまた何か企むといけないから、何でもありません。と小さく笑って返す。
――そう、ことの発端は今朝。陛下への謁見前、みんなも起きてくる前のこと……
「おはよう」
朝、私が起きてロビーへと降りとるすでにジェイドとガイが起きていた。二人ともちょうど降りてきたみたいな雰囲気だった。
「おはよう。相変わらず早いな」
「おはようございます」
二人とも笑顔で返してくれた。ガイは先日のこと、ジェイドは昨日のことを思い出すと何か一人恥ずかしくなる。まあ、二人はそんな事を思うような人じゃないけど。冷静を装うのも楽じゃない。だって……ほぼ同時に男の人に告白されたことなんないもん。
「そう言えば、ガイ」
「ん、なん……」
ガイへ声を掛けたはずのジェイドが私の肩に手を置いて抱き寄せるのとガイが返事をするのが同時で。それで……こめかみの辺りに柔らかい感触。
「真咲は私のですから手を出さないでくださいね」
語尾にハートマークが付くんじゃないかってくらい満面の笑みを浮かべて言ったジェイド。固まるしかない私とジェイドを睨みつけたガイ。私自身が居たたまれない気がするのはきっと気のせいじゃない。一触即発するんじゃないかって思う瞬間だった。