36話 手を取り合う時
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想いを告げ想いは届いた
それはとても幸せ
そして未来を進むために
私たちは
手と手を取ろう…
伝えた。絶対に隠しておこうと思っていた想いを伝えた。そしてその想いは叶った。私なんかの手を取ってくれた人。暗闇に進みかけた私に光を灯してくれた愛しい人。
想いの通じ合った翌日、私たちは再び城へと訪れた。通された謁見の間にはモースもいた。私たちを見るなり睨みつけて。
「そちらの書状、確かに目を通した。第六譜石に詠まれた預言と、そちらの主張は食い違うようだが?」
私たちを見回し話を始めるインゴベルト陛下。一度目を伏せたルークが、一歩前へと出る。
「預言はもう役に立ちません。俺……私が生まれたことで、預言は狂い始めました」
ルークの言葉に……レプリカ、か。と呟く陛下。その目はまるで憐れむよう。知らぬとは言え、『ルーク』をアクゼリュスへと送ったのは紛れもなく彼らなのだから。イオンではないけどどんな思いでルークを送ったなんてもう知りたくはない。繁栄なんて言い訳は聞きたくない。
「お父様!もはや預言にすがっても、繁栄は得られません!今こそ国を治める者の手腕が問われるときです」
この時の為にわたくしたち王族がいる。預言にあぐらをかいて贅沢をすることが務めではない……ナタリアの訴えるような叫びが謁見の間に響く。
「……私に何をしろというのだ」
わかってはいる。けど、預言は絶対で生きてきた。そんな中、預言はもう当てには出来ない。ジェイドの記した書状が現実に起きるというのなら何をしたらいいのかと、苦痛に耐えるように顔を歪める陛下。一国の王としては簡単に決断ができないのもわかる。でも今はその猶予すらない。一分一秒でも事を進めなければならない。