35話 共に見る世界に
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あなたが好きです」
本当に本当の気持ち。心臓が爆発しそう。でも後悔はない。たとえどんな結果になったとしても。
「……やっと聞けましたね」
頬から手を離し、背中に手を回して抱き締められる。鼻を擽る香りと肌に感じる温もりにクラクラしつつも安堵を覚える。
「……ごめんなさい」
「謝る必要はないですよ」
もう一度謝罪の言葉を口にするけど、必要ないと少しだけ抱く力を強める。
「私もあなたに謝らなければいけませんから」
「……はい?」
意味がわからず彼の胸へと押しつけていた顔を上げる。にっこりと音を付けたくなるような笑顔のジェイド。一体、彼が何を謝るというのだろうか。
「実は、知っていたんですよ。あなたの気持ちを」
ああ、知ってたんだ。そうなんだ。知っていた……知っていた?
「は、はいぃぃ……っ!?」
「静かに。夜中ですよ」
彼の言葉に胸を押しのけて大きな声を上げる、がすぐに口に手を当てられる。そうだ、今はもう夜中だったっけ。
「ってそうじゃなくて!」
私の気持ちを知ってたって。いつから?どうやって?なんで?色んな思考が頭を過ぎる。
「あなたに断られた後、私は部屋の外に出ました」
何か食べ物を持ってくると言って彼は出ていった。私はそれを見ている。
「ですが、外に出てもまだ扉の前にいたんですよ」
…………えっ?
「だからあなたの独白を私は聞いてたんです」
なななななんですと?聞かれてた?扉の前で、すぐ側にいた私の本心を聞いていたの?
「それを知ってて、口説くとか言ったんですか!?」
「はい」
ああ、語尾にハートマークが見える。確信犯だったんだ。知ってて私から言わそうとしてたとは……私のなけなしの勇気は一体?