5話 反撃の烽火
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「でも、痛みはなくなったから大丈夫だよ」
傷口は塞がったから後は自然治癒でいいと、言って。痛みがなくなったなら十分だ。
「うっ、うぅっ」
今度はルークが目を覚ました。ルークはベッドに腰掛け、両手を見つめていた。
――汚さずに保ってきた手も、汚れて見えた
カルマの歌詞が頭を過ぎった。ルークは初めて、人を殺した。その事がショックで、辛くて仕方ないんだ。なんて声を掛けていいか分からなかった。
「ルークも目を覚ましましたことですし、そろそろここを脱出して、イオン様を助け出しましょう」
ジェイドはそう切り出し、まだ何処か心ここにあらずのルークにも先程ティアに説明した内容を伝える。
「そこを待ち伏せして、救出しましょう」
ジェイドの提案に私とティアは無言で頷いた。
選択肢はこれしかないんだから。ルークはそんな私達を見て、驚愕な表情をする。
「お、おい。そんなことをしたら、また戦いに
なるぞ」
立ち上がり声を上げる。何故また戦うのかと。不安が表情に出ていた。
「それがどうしたの?」
ティアは無表情で答える。心の中ではきっと分かっているのだろうけど、彼女は軍人だから。
「また、人を殺しちまうかもしれねぇって言ってんだよ」
「――それも仕方ないわ。殺らなければ、殺れるもの」
ルークがもう殺したくないと必死に訴えるように言えば、ティアは淡々とそれを返した。
「何、言ってんだ!人の命を何だって――」
「そうですね、人の命は大切です」
ジェイドがルークの言葉を遮る。ジェイドもティアも軍人の顔になっていて、感情を表には見せなかった。