35話 共に見る世界に
夢小説設定
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「そう言えば」
「はい?」
私と同じように手すりに背を預けるジェイドが話を逸らすように切り出す。眠れない理由を問われるかと思ったけどそうではないみたいで。
「城に入る前にあなたが言っていたのは、私がインゴベルト陛下へのはったりの事ですか?」
城に入る前……ああ、何を言っても驚かないでと言ったことか。そうです、と頷けばそれ以上は何も言わない。自分で聞いておいてそれはないと思うけど。聞かなくてもわかるということか。私が知っているという事を彼は知っているのだから。私が甘えているのか、彼が気を使ってくれているのか、もしくは両方か。
「同じマルクト軍人である私が何も知らないってのもおかしいでしょ?」
自分から言い訳をするような気分。実際そのことを言ってないのだからそうなのかもしれないけど。ジェイドなら彼の独断というのもなくはないだろう。でも現段階では敵地なのだから独断というのは可能性としては低い筈。
「機転を利かせと思うことにしましょう」
「しましょうって……」
全くをもって褒められた気がしない。言葉だけじゃなく、そのはったりをよりそれらしく見せる演出は必要なかったということなのかな。まあ、大丈夫とは思ったけど、もし万が一、キムラスカ兵が入ってきたら目眩ましにでもしようかとは思ってたけど。
「何かありましたか?シェリダンを出る辺りから様子がおかしいですよ」
この人の困る所。そう言う所をしっかりと見ていて気付いちゃう。隠してると言うほどのものではないけど、その張本人に聞かれては答えるに答えられない。答えるということは告白すると言うことだし。かと言って簡単に誤魔化せる相手でもないし。下手に誤魔化してもバレて追求されるのが落ちか。素直に、告白してみる?