35話 共に見る世界に
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「ガイ?えっと、その……」
「急にすまない。でも、なんか言わなきゃいけない気がしてな」
否定が出来なかった。違うの一言も言えなかった。肯定をしたも同然だと自分自身に叱咤していればガイは謝罪の言葉を口にしてそう言った。
「……ガイが私を?びっくりしたって言うか、信じらんないって言うか」
「まあ、俺自身もね。告白はしたのかい?」
互いに互いの顔が見れない。まさかジェイドに続いてガイにまでとは思いもしなかったし。いや普通は思わない。私にそんな魅力なんてない。ガイの問いには、ただ首を横に振る。今更そんなものは出来ない。どんな形であれ、思いであれ、想いを告げてくれた彼に嘘は吐けなくて、ベルケンドでのことを話す。すでに想いを告げられたこと。けど自分の体のことで断ったことも全て。誠意にはきちんと向き合わなくちゃいけない……偽善かもしれないけど。
「真咲……」
「ごめんね。どっちにしても断ってるね」
もしガイのことが好きでもそれを受け止めることはない。それで死なないとわかった今でも。臆病な私。人の思いを無碍にしてばっかり。
「俺は応えてもらえるとは思ってなかったからな」
でも…と続けるガイ。言いたいことはわかる。両思いならどうしてと言いたいんだろう。命がどうのとかは関係ないって。
「私が消えて、彼が残されて悲しまれるのが嫌。私のわがままなの」
乖離して死ぬことはなくてもそれ以外のことは何も言わなかった。
「それでも言うべきだと俺は思う。それはジェイドの事を想ってるとは言えないぞ」
「わかってるんだけどね」
やっぱり今更っていう気持ちのほうが大きくて、どう言ったらいいのかもわからなくて。恋愛経験なんて豊富な方じゃないし。典型的な駄目女だよね。告白、かあ。考えただけで顔が熱くなる。心は正直だ。