5話 反撃の烽火
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「ありがとうございました、ジェイドさん」
私がいきなりお礼を言うと、ジェイドは素っ頓狂な顔をした。おぉ、レアだ~。口に出したら何されるかわからないから思うだけにする。
「さっき、えっと、アッシュでしたっけ?…から助けれくれたじゃないですか」
アッシュのことは知らない振りをしながら言う。それにお礼は言ってなかったので、と言えば、たまたま近くにいたからです、と返された。それでも、嬉しかったんですよ?なんてことは言わない。だって、恥ずかしいから。
「うぅ、ん」
ティアが気がついたらしく、ベッドのほうから声がした。
「ティア、大丈夫?」
私は立ち上がり、ティアの側に駆け寄ると、ジェイドもその後を続いて来る。ティアはベッドの端に腰掛けて、軽く頭を振りながら大丈夫と答えた。
「大佐、真咲。いったい…」
アッシュの譜術攻撃の後、捕まりここに閉じ込められたことと入れられてすぐにオラクル兵の会話からイオンが連れて行かれ、またここに戻ってくるという話を聞いた事を話した。
「ティア、申し訳ありませんが、真咲に回復譜術をお願いします」
ジェイドが私のほうを見ながらティアに言った。放って置くつもりだったが、そう言われてしまっては怪我をしている手を出さざる得ない。ハンカチを外し、血で汚れた掌を見せると、ティアの顔が歪んだ。ティアはベッドから立ち上がり、私の手に自身の手をかざす。
「癒しの光よ――ファーストエイド」
暖かい光が私の両手を包む。すーっと痛みが引いていく感じがした。光が消え、掌を見るとまだ少し傷は残っていた。
「あら、まだ治りきらない?」
不思議そうな顔をするティア。私には実際、どれくらいまでの傷が治るのかなんて分からない。