35話 共に見る世界に
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「……果てしなく広がる青き空~」
私は死なない。少なくても血中音素が少なすぎてとか先日の譜陣を敷かれたこととかで死ぬことはないみたいだけど、全てにおいて油断は許せないのは変わらない。ロケット台の屋上から見える遙か先の水平線。空と海の境界線。目に映るのはそれだけ。それだけだけどとても綺麗だ。穏やかな海面に夕日はゆっくりと沈んでいき橙に染める。
「君は今、何を思う~」
歌うならばきっと自分のこと。この先は何かを考える余裕もないくらい忙しくなるはず。ただ忙しいじゃ駄目なのに。平和条約が締結するまではいい。でも……歌うのを止め、シェリダンの街を見下ろす。その後の事を考えると憂鬱になる。そんな犠牲はいらない……ジェイドに相談するべきか。悩むところだけど、どうしよう。私が話すということは預言を言うのと変わらないかもと思うとそれも憂鬱で。
「もーっ!どうしろって言うのよ!」
「うわっ」
天を仰ぎながら叫ぶと後ろから声が。それも驚きの声。それに驚いて、へっ?なんてまた間抜けな声を上げてふ振り返る。そこには一歩足を引いた体勢のガイが立っていた。
「……ガイ?」
何でここに、と問う前に小さく微笑んだガイが側に寄ってきた。側に寄ると言っても、一定の距離を空けては変わらないけど。にしても何で彼がここに?
「歌が、聞こえたからさ」
「えっ?」
ふらふらと街の中を散策していたら歌声がしたと。って下までしかも街の方まで聞こえてたんだ。ここは少し離れてるし、結構高いし、声もそこまで大きな声で歌ってたわけじゃないのに、聞こえてたんだ。
「えっ、と……恥ずかしい……」
今更なんだろうけど何だか恥ずかしい。自分にしか聞こえないように適当に歌っていたものが聞かれてたなんて。顔が熱くなってくる。思わずパタパタと手で仰ぐけど大して意味がない。