35話 共に見る世界に
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怖いのは拒まれること
あの日誓った約束
あの日知った感情
歩み行くために
決意するの……
「これが計測結果だ」
タタル渓谷のセフィロトでの計測を終えてシェリダンへと戻り集会所を訪ねるとイエモンたちがいた。手前の席にいたタマラにルークが計測器を渡す。
「こっちは今、タルタロスを改造しているところさ」
「タルタロスを?」
タルタロスは魔界に落ちても壊れなかったほど頑丈な艦船。地核に沈めるにはもってこいだとキャシーが答える。そのための改造をちょうど施しているところみたいだ。
「タルタロスは大活躍ですねぇ」
「まだ準備には時間がかかる。この街でしばらくのんびりするといいぞい」
あれだけの船を改造するのだ。時間はかなり掛かるだろう。その間はゆっくり体でも休めるかと集会所から出てすぐにルークがなあ、ちょっといいか?と足を止める。それに習うかのように私たちも足を止めた。どうしたの?と隣に立つティアが訊ねるとルークはみんなの顔を見回す。
「ずっと考えたんだけど、大陸降下のこと、俺たちだけですすめていいのかな?」
「ん?どういうこと」
少し間を空けて、ルークは言った。その意味が分からないと言う風にアニスが首を傾げる。
「世界の仕組みが変わる重要なことだろ。やっぱり伯父上とかピオニー皇帝に、ちゃんと事情を説明して協力しあうべきなんじゃないかって」
もう一度、全員の顔を見る。ルークの言葉に驚きを露わにするみんな。以前のルークならこんな事は言わない。彼の変化というか、もっともな意見に驚かされてるんだろうけど。ただ一人、ナタリアだけが表情を暗くする。先日の一件が彼女に大きな傷を残したんだろう。