34話 導きの標
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「ジェイド。失礼ですよ」
ぷぅ、と頬を膨らませた私を見てやんわりとジェイドを諫めるイオン。
「僕は先に戻って大丈夫だと伝えてきますね」
「えっ?い、イオン様!?」
止める間もなくイオンは仮眠室を後にした。残ったのは私とジェイド。この状況で二人きり。死なない宣言をしたばかり。あ、でも、ジェイドにはそれが理由で断ったわけじゃないし。
「真咲」
と、隣に座るし。逃げ出したいけど私が枕側に座ってるから壁とジェイドに挟まれていて逃げられない。何かされたらそのまま流されそうな気がしてならない。
「逃がしませんよ?」
「ちょちょちよっ!ティアとナタリアを呼びますよ!!」
押し倒されることはないものの、体をこちらへと傾けて頬を撫でてくる。先日の口説きに来る宣言をしてから本当に人目がないとすぐに迫ってきて困る。心臓が持たないよ。好きな人にされたら余計に……とんでもない人を好きになって好きになられたものだ。この人のせいで赤面症になった気がしないでもない。
「それは困ります」
「全然、そうは見えません」
しれっとした態度で言われても説得力の欠片もない。この自信は一体どこから来るんだろうか。少しでいいから分けて欲しいくらい。
「呼ばれる前に口を塞いでしまえばいいと思いませんか?」
「いやー!私の貞操の危機がーっ!」
こ、このままではいつか襲われるんじゃないかと不安になる。自分の一挙一動にどれだけ影響があるかわかってない……でも嫌じゃない自分もいるわけで。どうしたらいいんだろう……
あなたは私
私はあなた
此処にいる……私は
だから私は標となろう