34話 導きの標
夢小説設定
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「最後にもう一つ……」
これを話すのが一番緊張する。いくらジェイドが知らないからとは言え、彼の想いを受け止めなかった最大の理由がなくなったのだから。でも話さないわけには行かない。あれだけ心配を掛けたのだから。
「ルーチェが言うには、私は乖離して死ぬことはないようです」
二人の顔を順に見て言えば二人は驚きが隠しきれず目を見開いていた。瞬きも忘れたかのように時間にして十数秒間、止まったままで。
「預言の嫌いなんでいつということは教えてもらえませんでしたけど」
自分の力で切り開くことが出来る。ということを教えてもらったことを包み隠さず話す。今後のこともあるし。
「……真咲」
「私は、死にませんよ」
まだ想いに応えることは出来ない。私自身の想いは変わらないけど、自分が許せない。それにやるべきことがある。私が私を許せる頃にはきっと私への想いなんてなくなってるだろうし。実際にそれが現実になるという保証はない。ルーチェが言ったから……で全てを信じていいのか。嘘を言うようには見えないけど、私にやる気を起こすための嘘は言うかも知れない。
「まだ、みなさんには言わないのですか?」
「落ち着いたらまたあの部屋に行ってきちんと調べたいんです。それからでも遅くないと」
それでも知らないことが多すぎる。体の方は事情を知るジェイドが保証してくれれば問題ないと思うし。どの道、体に音素が戻らないと油断は許さないのは変わらないし。
「にしてもルーチェは私そっくりでビックリしました」
「あなたそっくり?」
話を逸らすように思わず口にしたのが間違いだったのか。
「あなたはルーチェのことを"少女"と言いましたよね?」
「……すみませんねぇ。十代に見えるほど童顔で!」
墓穴を掘ったのが自分自身だから怒るに怒れない。腹立たしいのは自分なんだけど……余計な一言を言わなくてもいいと思わない?