34話 導きの標
夢小説設定
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「……セレニアの花畑で少しぼーっとしてたの覚えてますよね?」
ジェイドが聞きたいのはここだろう。それにこの事は話しておかなければならい。私が訊ねれば二人は黙って頷く。
「あの時、どういう原理かはわかりませんが、私は違う場所にいました」
「違う、場所?」
言っている意味がわからないのか首を傾げるイオン。目の前にいたはずの人間が違う場所にいたと言われても理解は出来ないだろう。私でも同じ事を思う。
「えっと、夢を見ているような感覚……と言った方がわかやりいですかね」
「自分は転移でもしたような感覚に陥るほどにリアルな夢、ですか」
私がそうでも側にいる人間はそうは思えないだろう。ジェイドの補足的な言葉にそうですと答える。やっぱりジェイドがいると理解が早いし、フォローも入れてもらえるから助かる。
「私は、そこでルーチェに会いました」
まだ鮮明に思い出す。金髪の少女との短いけど奇跡的な時間を。
「ルーチェ……確か、真咲の前世の……」
「はい。私の前世の少女です」
あのセレニアの花畑のあった場所がルーチェの研究室だったこと。そこで会った彼女は2000年前からの残留思念で、今日私が現れるのをずっと待っていてくれたこと。けど私とルーチェが会話していたのは創世歴時代ではなく現在だと言うことも付け加えて。あの時、話したことをゆっくりと話し始める。
「それで?」
「……ジェイド?」
まだあるでしょう?とこちらをじっと見る。それだけのためにイオンまで呼ばないという事をわかっているんだ。さすがというか、ただ私がわかりやすいというか。
「ここからが本題、です」
魔術を使っておきながら言うのもなんだけど、未だに信じられないとこもある。まさか、という思いの方が強いのかも知れないけど。それでも知っておいてもらわない、私のことを。