5話 反撃の烽火
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「何ですか?」
まだ質問しようとするジェイドに内心溜息を吐きつつも、同じく内心で彼の発言に対してツッコミを入れる。あと何を説明すればいいんですか?逆に質問したいよ。そう思い、眉根を寄せる。
「先程聞きそこないました、あなたが"何処から来た"のかについてです」
忘れてました。この質問が一番面倒くさい。というより、ジェイドを納得させられる説明なんて出来ないのに。仕方ない、約束をしたのは私自身だ。
「…私の住む世界は、地球って言います。私の国の名は、日本です」
ここからを上手く言えるかな。これこそ、一番重要で、一番信じてもらえないかもしれない。
「仕事の帰り途中で"電車"と言う乗り物に乗ってました…途中で事故に遭い、気づいたらチーグルの森にいました」
「気づいたら?」
やっぱり突っ込んできた。険しい顔してるし、赤い瞳が怖い。真っ直ぐに私を見据えている。
「電車が急に激しく揺れて、高架上から落下した所までは覚えています。そのあとは―――」
思い出すだけでぞっとした。あのままだったら、今頃私は死んでいた。落下して、電車ごとぺしゃんこだったろう。
「…わかりました、すみませんでした」
「へっ?」
いきなり謝られ事に驚き、間抜けな声を出してしまった。
「…辛いことを聞いてしまったようでしたので」
そう言ってジェイドは私の手を指差す。すると私の手は震えていた。恐怖まで思い出してしまったからかな。
「いえ、お話する約束でしたし」
ぎこちない笑みを浮かべて言えば、ジェイドの顔の険しさが増した。その空気に耐えられなかったことと質問攻めが終わった所で私はあることを一つ思い出し、両手でパンッと叩いた。