34話 導きの標
夢小説設定
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「これだけか?」
「はい」
「つまんなーい。なんか拍子抜けだよぉ」
あっさりと終わってしまったことに物足りないと言ったような表情を浮かべるガイとアニス。
「楽しませるための測定ではありませんからね」
「では、シェリダンに戻りましょう」
シェリダンで待つイエモンたちの元に戻ろうと踵を返す。
「イオン様」
そっと彼の隣に立つ。幸いにも近くには誰もいなかったから自然に近づける。どうかしましたか?と首を傾げるイオンに小さくしぃーっと指を立てる。
「後ほどお話があります」
「僕に、ですか?」
何の話だとろうと目を丸くするイオン。けどにっこりと笑ってわかりましたと返す。
「真咲。いいですか?」
「あ、はい」
アルビオールに戻るとジェイドがちょいちょいと手招きをする。話すと言ったがまさかここで?あのジェイドが内緒話をこんな所でするわけもないと思いながらも平静を装って返事をする。
「ジェイド。どうかしたのか?」
「先日の一件があってすぐだというのに魔術を使いましたからね」
体の方に何か不調がないか調べたいと。後で何かあってからでは遅いから早期に調べておいた方がいいでしょうとジェイドが言うとそれもそうだなと納得したようにみんな頷く。
「ノエル。奥の仮眠室を借ります」
「はい、どうぞ」
「僕も行きます」
まだ発進する前だったからそのまま移動する。私たちの後ろをイオンも付いて来る。何でイオンもとルークたちは思っただろうけど、それを口にする前に私たちは操縦室を出た。すぐ隣の仮眠室に入り私とイオンはベッドへ、ジェイドは備え付けの椅子に座った。
「では話してもらいますよ」
「はい」
話す前に目を閉じる。数時間前に話をしたばかりのルーチェの顔が浮かぶ。私そっくりな少女。彼女に会えてよかった。絶対に会うことのないはずの彼女に会えたことでまた一歩前へ進めそうだ。