34話 導きの標
夢小説設定
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「色々収穫はありましたから、今回はイオン様にも聞いてもらおうかと」
話が出来る状況に持って行ってから、二人に話を聞いてもらいたい。欲を言うならアッシュもいてくれるといいんだけど、それは無理だし。『私』を知ってる人に話を聞いてもらいたい。
「話はしてくれるのですね?」
「それはもちろんです」
元々の約束でもあるし、彼に知っておいてもらうのは何よりも心強い。フォローもしてもらえるし。まあ、個人的なものもなくはないけど。今更ながら考えると私……ジェイドをフったことになるんだよね?ルーチェからは私は死なないと言われたけど、けど今更で。その件に関しては後でゆっくり考えよう。
「どうかしましたか?」
「いえ、それも後でってことで」
一人で考えに浸ってしまっていれば首を傾げられてしまう。今はまだ教えませんよ?と人差し指を自身の口元に当てれば、ジェイドはキョトンとしたように目を丸くした。小声で、あなたって人は、と言うのが聞こえたけどそこはスルーしよう。反応すると何されるかわからないし。
「兄さんは、ここには来ていないのね」
「それならここのパッセージリングは、第七音素さえ使えれば、誰でも操作できるのかしら」
セフィロト内を隈無く回ってユリア式封咒を解呪すれば譜石は反応した。これもいつものように瘴気が体を侵す。ルーチェに聞いておけばよかった。体内の瘴気は、私の知っている通りでなければ消すことが出来ないのかを。
「いえ、操作盤が停止しています。多分、シュレーの丘やザオ遺跡で、ヴァンのしかけた暗号を無視してパッセージリングを制御した結果、並列に繋がっていた各地のパッセージリングが、ルークを侵入者と判断して緊急停止してしまったのでしょう」
操作盤を見て少しばかり表情を堅くする。彼の言葉にどよめきが走り、最悪なことを想像してしまったのだろう。みんなの表情も暗くなる。