34話 導きの標
夢小説設定
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「ここは僕が開きます」
ユニセロスが去った後、まだ閉ざされたままの扉を解くイオン。やはり体に負担が掛かるのか、後ろへと倒れそうにイオンをアニスが後ろか支える。大丈夫かと問うと疲れただけと青い顔で返す。
「そういえばパッセージリングを起動させる時、ティアも疲れるみたいですわね。創世歴時代の音機関や譜術には、そういう作用でもあるのかしら」
「そんなことはないと思いますが……」
ふと思い出したようにそう口にすると、イオンは難しい表情を浮かべる。さっきのユニセロスが言っていたことを思い出すとはっきりとは言いきれないのか少し歯切れが悪い。まだ顔色の悪いイオンに休むかとティアが訊ねるが、イオンは小さく首を振って行くと答える。なら先を急ごうと中へと入る。そしてセフィロト内を歩いていると突然地面が大きく揺れた。
「またどこか落ちたのか!?それとも……」
「ええ。セフィロトの暴走による、ツリーの機能不全かも知れませんね」
どの辺りが落ちたのか気になるところだけどこればかりはわからない。アクゼリュスの崩落から始まり、セントビナーやエンゲーブ、ケセドニアと大地は魔界へと落ちた。
その影響は大きく、外殻大地が耐えられなくなってるのだろう。
「真咲」
先へと進みパッセージリングの側にティアが近づいても今回は反応がない。シュレーの丘の時と同様にユリア式封咒を解呪しなくてはならないといけなくそれを調べているといつもの如く気配なく人の隣に立つジェイド。
「……さっきのことでしたら後で話しますよ?」
たぶんジェイドはセレニアの花畑でのこととユニセロスを止める際にこの体の状態で魔術を使ったことを聞きたいんだろう。けど今だと誰が側に寄ってくるかわからないし、話も少し長くなると思う。今は急がなくてはならない状態なのだから解呪を優先したい。