34話 導きの標
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「あれ、なんかいるぜ。魔物か?」
先に進むにつれて霧が深くなってくる。悪くなった視界の先に何かがいるのを発見するがよく見えない。魔物かも知れないとミュウが呼び掛けてみる。その呼び掛けにまるで馬の鳴き声のようなものが返ってくる。
「この鳴き声は……」
「ユニセロス!」
声に反応して大きな声を上げるアニス。その表情はさっき青色ゴルゴンホド揚羽を見つけた時のように顔を輝かせていた。
「古代イスパニア神話に出てくる『聖なるものユニセロス』ですか?」
「そうです!幻のユニセロスですぅ!捕まえたら5000万ガルドは堅いですよっ!」
「ユニセロスは清浄な空気を好む魔物です。街に連れ出したら、死んでしまうかも知れませんよ」
アニスの口から出た名に驚いたように声を上げるイオン。まさかの魔物にアニスのテンションは最高潮。お金のこととなるとそこしか見えないように。けどそれは見事にジェイドの言葉によって真っ逆様に落とされる。死んでしまっては意味がない。がっくり肩を落とすアニスを余所にミュウがユニセロスが苦しんでるみたいだと心配そうに辺りを見回す。
「何かがくるわ!」
「まずい!後ろです!」
霧が晴れ、視界がクリアになる。見た感じ何もいない。が、後ろからの気配にティアがすぐさま気づきジェイドの声で一斉に後ろから駆けてきたそれを避ける。一度駆け抜けてきたユニセロスはこちらに戻ってくるが殺気を放ち今にも襲ってきそうだ。
「うわっ!ユニセロスってのは凶暴なのかよ!?」
「そんな筈ないよぅ。すごく大人しくて、人を襲ったりしない筈だよっ!」
襲いかかってくる理由はわからない。けどこのままではこちらは防戦一方になってしまう。気絶させて様子を見ようと言うティアの意見に全員が頷く。
ルーチェの言うとおりなら私も戦える。右手に杖を召喚させる。