34話 導きの標
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「真咲!?」
腕を取られ、名を呼ぶ声に意識は戻る。戻る、と言うのは少々違うが、取られた腕を見るとアニスが訝しげな表情を見上げていた。
「体調悪いのぅ?」
「アルビオールで休んでるかい?」
ぼーっとしてたんだ。意識だけが飛んでたんなら失ってるようなものだったんだね。まずいまずい、余計な心配掛けちゃう。
「ん、ごめん。大丈夫だよ」
少し花畑に魅入ってただけだけだから何ともないよ。とアニスの頭を撫でて上げる。
「そろそろ行きましょう」
のんびりしてる場合でもないから行こっか。と手を取ると、アニスはうんと笑顔で私の手を握り返す。そして目的地へと足を向ける。この後にあることにはルーチェの言うとおりなら対処できる。ついでに言うと明らかに不審に思ってる人物が一人いることはわかってる。からアニスと一緒にいる。
「謀りましたね」
ぼそりと呟かれた言葉が耳に入ったけどそこは聞かなかったことにしておこう。どうせ後で根ほり葉ほり聞いてくるのだから今くらいは放って置いても罰は当たらない、よね?
「あ~~~~っ!?」
「どうしたの、アニス」
渓谷の奥へと進み、そろそろかと思った頃、アニスが私から手を離し大きな声を上げて走り出す。ティアが訪ねればアニスは走り出す方向を指さす。それ指先の方角をみんなで目を向ければそこには青い蝶が飛んでいた。
「あれは、幻の『青色ゴルゴンホド揚羽』!捕まえたら、一匹あたり400万ガルド!!」
目的の物以外は目に入らないと言った感じに青い蝶を追いかけている。
「おーい、アニス。転ぶぞ」
「あのねっ!私のこと子供扱いするのはやめてくれないかなぁ」
蝶を追いかけていたアニスが崖の側に近寄ったところでガイが声を掛ける。小さい子に言うようなことを事を言われたアニスはぷうっと頬を膨らませる。このままじゃ、わかっているからアニスへと近寄ろうとしたときだった。