34話 導きの標
夢小説設定
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「ここは君のいる時代だよ。言ってなかったけど、私は一種の残留思念体」
実際にはもう生きていないよ。ほぼ無表情で答えていくルーチェ。空間を作っているという説明は難しいからその内この部屋にある資料から読んで理解してくれと言われてしまった。
「残留思念体……」
「この日のために、力の一部を使って思念体を生み出した」
目を伏せ話を続けるルーチェの言葉に耳を疑う。それを行ったのはユリアとの最後の決別の前日でそのせいもあってか使われた力は戻ることはなくローレライとユリアによって音素を封じられ、異世界へと飛ばされたと。たとえ力があったからと言って二人に適ったかはわからないけどね。と淡々と言う。
「……私、のためなの?」
そうしなければならなかった理由がわからない。ルーチェ程の人間なら、もっと上手く事を成すことも出来たはずなのに……ユリアと敵対などせずとも後世に何か残せたはずなのに。
「私じゃ駄目なんだよ。真咲、君でなければならなかったんだ」
「私じゃなきゃって……私は、あなたのように力は……」
ローレライに音素を封じられているというのもあるけど、彼女のような魔術を使うことも出来なければ、譜術を使うことも出来ない。千里眼だって自在に使えるわけでもない。なのに私でなければならないなんて。
「私は預言は嫌いだ。だから細かい理由は今は言いたくない。けど……君は大丈夫」
何を根拠に大丈夫と言うのかはわからない。わからないことだらけで頭がついていかない。なぜ、そんな確信を得たような笑顔を浮かべられるのだろう。
「……ルーチェ……」
訳もわからないままでは不安が募る。私の体を考えるなら尚更。それも答えてくれないのか、ヒントに似たものを教えてくれるのか。同じ顔をした彼女を見つめる。