34話 導きの標
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「ここは?」
「私の研究室だよ」
部屋を見回す。部屋にある物で机以外は殆どが本棚。あと目立つのは机の前の大きな窓ぐらい。研究室と言う割には明るい部屋。正直、ディストの研究室みたいのしか思い浮かばなかったから変な感じだ。
「君と会えるのを楽しみにしてた」
一歩二歩と近づくルーチェ。白を基調とした帽子とローブのような服。丈の短いハイネックのシャツにオレンジのショートパンツ。そして手には私が魔術を使用するときに使うあの杖が握られていた。私が持つよりしっくりと来ているようで、やはり彼女の物なのだと感じ取れた。
「あなたは、知っていたの?今日のことを」
「一応はね。見えてはいた」
一度目を伏せたルーチェはゆっくりと話し始めた。今の現状のことから、私の疑問を一つずつ。語り始めた。
「まずここは君が来ていたはずのタタル渓谷であって違う場所」
確かにタタル渓谷のセレニアの花が咲いていた場所だという。ただ違うのは今いるのは創世歴時代のルーチェの部屋だと言うこと。ルーチェ、と言うより一族の力を使ってこの部屋は存在しているという。
「移動方陣と譜陣を利用してこの部屋を隠してるんだよ」
これは私が考案した術式で私以外の者は入れない。君がいられるのは私と君が同じだから。渓谷内に特殊な空間を作っていると言うが、そんなことが出来るのか。それが次の疑問となる。
「空間を作るって……それに、ここは今はいつの時代なの?」
どういう仕組みなのかわからない。けどルーチェは創世歴時代の人間だからここは創世歴時代なのかと思うけど、それが正しいのかはわからない。この短時間で唯一わかったのは彼女は私では計りきれないほどの人物だと言うこと。そんな事、簡単には出来ないだろうと言うこともなんて事無いように言ってしまうのだから。