34話 導きの標
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「おお!振動周波数の測定器は完成させたぞ」
「わしらの力を借りてな」
得意げに胸を張るヘンケンはその測定器を机へと置く。それに茶々を入れるアストン。ムッとしたヘンケンは、道具を借りただけだと返す。
「元気なじーさんたちだなぁ……」
「元気ならいいんじゃない?」
ガシガシ頭を掻くガイ。この年であれだけ大きな声を出して喧嘩してられるなら心配はない。今、は。にしても本当に元気が有り余ってるみたい。
「測定器はお預かりします」
階段を上がり、ヘンケンから測定器を受け取るジェイド。
「話は聞いたぞい。振動数を測定した後は、地核の振動に同じ振動を加えて揺れを打ち消すんじゃな?」
「地核の圧力に負けずに、それだけの振動を生み出す装置を作るとなると、大変だな」
その先の話をし始めるとまた睨み合いを始める。自分が自分がと売り始める三人に呆れて開いた口が塞がらない私たち。どうにもこうにも仲良くなれないのものかな。
「睨み合ってる場合ですの!?このオールドラントに危険が迫っているのに、い組もめ組もありませんわ!」
「そうですよ。皆さんが協力して下されば、この計画はより完璧になります」
ナタリアが叱咤し、イオンが上手く宥める。アニスがおじーちゃんたち、いい年なんだから仲良くしなよぉと腰に手を当てて溜息混じりに言うと、押し黙った三人が互いに顔を合わせる。
「……わしらが地核の揺れを抑える装置の外側を造る。おまえらは……」
「わかっとる!演算機は任せろ」
い組とめ組が手を組んだ。まだ意地の張ってる部分もあるけど、それでも心強い。私たちもそれに応えるために、タタル渓谷へと向かう。そこで何が待ち受けてるかなんて今はまだ知らずに、足を向けていた。