33話 踏み出す一歩の勇気
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「さて」
ダアトの宿屋の一室。ルークとティアとナタリアは買い出しに。ガイは気分転換を兼ねてノエルのもとへアルビオールの点検を手伝わせてもらいに行っていない。要は私とジェイドだけ。助け船は出してもらえない。
「わかってますね?」
「……はい」
お仕置き。ベルケンドで言われたこと。見透かされてたしか言いようがない。それだけ、見られてたってこと?
「目が覚めてすぐにあんな真似する人間が何処にいますか?」
「……えっと、ここに……」
どうにでもなれ、と言わんばかりに手を挙げる。言いたいことはわかるよ。その前日まで生死をさまよってた人間が人を止めるために飛び出したんだから。あれはどうしても止めたかったからで。
「みんながあれだけ心配したと思ってるんですか?」
ズキリ、と胸が痛む。朝顔を合わせたときにアニスやルークが泣いたのを思い出すと胸が痛くなる。心配させちゃった。
「……ごめん、なさい」
お仕置きに気を捕らえられていて、みんなに心配と迷惑を掛けたことをすっかり忘れていた。
「……どうしても、スピノザを止めたくて」
「アッシュにやらせてもよかったでしょう?」
あの時はまた体が勝手に動いていた。予想外な状況になってしまったから、考えるより先に体が動いた。私の悪い癖。
「アッシュには、理由は告げてませんが……スピノザを捕まえて欲しいということは、お願いしました」
「なのにあなたが倒れていてアッシュが介抱していましたね?」
よく見ていらっしゃる。私が前に出ちゃったけど、アッシュが隙をついて捕まえてくれると思ったんです。と本当に正直に言っているのにジェイドは無言。尚且つ、表情も冷たいもの。そぐりと背筋が凍るほど、彼は怒っているのかと感じ息をするのも忘れそうだ。