5話 反撃の烽火
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「そう、言われても…」
どうしても、あの赤い瞳で見られると、何も言えなくなる。怖くなって思わず下に俯いてしまう。また、はぁーっと何度目かの溜息が聞こえたと同時に、すーっとジェイドが私の手を取る。
「あっ…」
いつの間にか、また手を握り締めていたらしい。手に巻かれた、ハンカチが血で汚れていた。
「確かにあなたは頭で考えるよりも、体が先に動くタイプみたいですね」
そう言いながら、ハンカチを巻き直してくれる。
「――よく、言われます」
「少し、意地悪が過ぎましたね」
ちょっと罰の悪そうにしているとジェイドは私に微笑んだ。いつもの胡散臭い笑みではなくて、ちょっと優しい笑み。急に優しくされると、何か逆に怖い。
「ルークの時のこともそういうことにしておきましょう」
しておきましょう、ですか。まぁ、今はそれでいいか。どうせ何を言ったって勝てないし。
「ちなみに言い訳ではないですけど、イオン様もお話があるってタルタロスに乗る前に言われてますからね」
やられっぱなしは悔しいから、一言付け加える。どうだと言わんばかりにジェイドの顔を見れば、いつもの笑みに戻っていた。実際、イオンから話があると言われたのは事実だし。
「……そう言えば、あなたは火の属性の術も使えたのですね」
私の言葉を無視して、唐突に話を切り替えてきた。火の属性…たぶん、譜石に向かって使ったことかな?
「使えちゃいました」
ちょっとおどけた感じで言ってみる。我ながら年甲斐もないとは思っているけど。
「知ってて使ったわけではないのですか?」
スルーされた…まぁ、それはともかく。