33話 踏み出す一歩の勇気
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「ガイの様子はどうですか?」
トリトハイムにアリエッタを引き渡しに行っていたジェイドが戻ってきて声を掛ける。彼からこの礼拝堂に来てからずっと座り込んだままのガイに視線を移し、あのままです……と答える。何も喋ることはなくただ少し上の方を見上げたままのガイ。その理由は全てを思い出したから。
「あなたは、知っていたのでしたね」
「……はい」
ベルケンドでの一件からこの事まで。ベルケンドの事はともかく、この件に関してはガイの記憶に関わることだから止めることは出来なかった。そのための犠牲を知っていて黙っていることは本当にこれでよかったのかと後悔すら浮かんでくる。仕方がない……と言い聞かせて。
「……最低だとわかっていて、この道を避けなかった……」
もし全てをみんなが知ったとき、罵られるのは絶対だろう。あなたのためなの、なんて偽善的な言葉を吐くつもりもない。少しずつだけど覚悟は決めた。ヴァンの思い通りなんて嫌だ。
「ガイなら大丈夫でしょう……それより」
ぽんっと肩を叩かれ、ふと彼を見上げれば怖いくらいの綺麗な笑顔。背筋に何か冷たいものが……
「あとでお仕置き決行です♪」
「いやあぁぁぁーーっ!」
わ、忘れてた。そうだ。言いつけを守ってなかったからあとで怒られることはわかっていたけど、この一連のイベントの方に頭が行っていてお仕置きのことをすっかり忘れてた。両手で頭を抱えて思わず絶叫する。考えるだけで……違う。考えても何されるかが思い浮かばないからめちゃくちゃ怖い!それだけで十分なお仕置きですっ!
「真咲……なに絶叫してんだ?」
そこに現れたのはアニスと共にパメラを部屋へと運んでいたルークたち。黙ったまま座っていたガイも何事だとこちらを見る。静まりかえった礼拝堂に私の叫び声だけが響いたのだから当たり前なんだろうけど。