33話 踏み出す一歩の勇気
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「あらあらあら、アニスちゃん。アリエッタ様が戻っていらしたわよ」
「うげ!まず……」
街の出口付近まで行くとアニスの母であるパメラの姿があった。私たちの姿を見つけた彼女は、にこやかな表情でそう告げた。
「確かアリエッタ様を捜したのよねぇ?皆さんがいらしたこと、お伝えしておきましたよ」
「ぎゃー!ママ!なんてことすんのっ!」
親切から何だけど、パメラの言葉に全員が驚愕する。事情を知らないのだから仕方ないんだけど、敵対してる人物に詳細を知らされたとなればアニスでなくても声を上げたくなる。マズいと、判断し外へ急ごうとすれば出口前にライガを二匹引き連れたアリエッタの姿。腕の中のぬいぐるみを力一杯抱きしめ、私たちを睨みつける。
「イオン様を連れてかないで!」
薄ら目に涙を浮かべたアリエッタには私たちしか見えていない。
「ちょっと根暗ッタ!こんなトコで暴れたら……」
「アニスなんか大嫌いッ!イオン様を返して!いけぇっ!」
ここが街の中だと言うことも頭にはないんだろう。イオンを取り戻すことしか考えていないアリエッタはライガに命令する。このまま倒されるわけには行かない。ルークたちも武器を取る。ジェイドは手に槍を出し、アニスにイオンを守るように指示する。それすらアリエッタは気に入らず、イオン様は渡さないんだからっ!とライガにさらに命令しイオンとアニス……いや、アニスを攻撃させる。けどライガの一匹はイオンへと向かう。
「イオン様!危ない!」
近くにいたパメラがイオンの前に庇うように立つ。ライガは容赦なくパメラへ雷を放った。雷が直撃したパメラは悲鳴を上げて地面へと倒れる。この先のためとは言え、傷つくことがわかっていて何もしない自分に正直腹が立つ。ぎりっと奥歯を噛みその光景に目をやる。でもこれで……そんなものは言い訳だ。