33話 踏み出す一歩の勇気
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「いってぇ……また……」
下に降りるとルークが頭を押さえてしゃがみ込む。ティアがルークの傍らに腰を下ろし大丈夫かと問うけど、彼はアッシュとの会話で聞こえていない様子。頭痛がよほど酷いのか苦痛の表情を浮かべて頭を抱える。
「ルーク!アッシュは何と言ってきたのですか!?」
これがアッシュからだとわかっているから真っ先に声を掛けるのはナタリア。
「……スピノザが俺たちの計画を、ヴァン師匠に知らせたらしい。ヘンケンさんたちはシェリダンに逃げたって」
会話が終わったのか頭から手を離し、アッシュとの会話の内容を話すルーク。その内容に全員が厳しい表情をした。
「しくじりました。私の責任だ……」
「ジェイ……」
「アンタのせいって訳でもないだろ」
目を細めるジェイドに私が話しておけばよかったと後悔して、彼の名を呼んで言おうとするとガイの言葉に遮られる。危ない、もし遮ってもらえなかったら知っていたことを口にしていたかもしれない。冷静に物を見ないと。
「立ち聞きに気付かなかったのは、気を抜いていたからです」
まさか立ち聞きしているとは思わなかった。そう言ったところだろう。憶測でしかないけど、スピノザはルークたちがヘンケンたちに会いに行ったのを目撃した。怪しいと睨んで後を付けてきた。と言うところだろう。
「アッシュは?」
「もう連絡はしないってよ。また独りで動くつもりなんだろ」
スピノザに逃げられた以上、協力する義理もないというようなアッシュからの返答をルークが伝えるとナタリアは、そう……ですか……と俯く。
「さあ、六神将に知られたなら長居は無用だ……ナタリアもいいね?」
ガイの言葉にナタリアは気を落としながらも頷き、ヘンケンたちが逃げたシェリダンへ向かうべく教会を後にする。外へ出てすぐのことを私の口から言えないことに心の中で謝罪する。ごめんね、と。