33話 踏み出す一歩の勇気
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「……何すればいい」
「アッシュ……もうすぐ、スピノザが現れるから捕まえて」
理由を問わない。なら私は手伝って欲しいことだけを伝える。それならアッシュが未来を知ることはない。そして物語通りだ。私の願いにアッシュはわかった、と頷いて一言。
「だが、いいのか?」
「ん?何が」
また難しそうな表情を浮かべるアッシュ。いいのかと聞かれても何がいいのかがわからない。
「歩いて大丈夫なのか」
結構眉間に皺を寄せてたから怒鳴られるかと思ったけど口調は大人しいものだった。ああ、私の体調を気にかけてくれるんだね。根は優しい……被験者とかレプリカとか関係なくルークとアッシュはそっくり。言うならば生まれがちょっと違う双子。何だ何だと可愛い所があるね。
「何がおかしい」
「ふふっ。何でもない。少し歩くくらいは大丈夫だよ」
大人しくしすぎても逆に疲れちゃうし。ただ、スピノザの件をアッシュに協力してもらって捕まえようとしたのを知られるだけで……ジェイドに怒られるんだろうなぁ。お仕置きって何されるのか考えるだけでゾッとしそう。お仕置きの内容が思い浮かばないから怖いんだよね。
「とりあえず……いつ来るのかな?」
「俺に聞くなっ!」
ゲームだとルークたちが第一音機関研究所に行ってそのあとヘンケンたちを追って知事宅に行く。そこで盗み聞きされる。確保を失敗してアッシュが追う。なんだけど、実際の時間の流れとは違うからなぁ。
「……あっ!スピノザ!」
「お、おまえたちは!!」
こっちに向かって走り出してくるスピノザ。もうすでに盗み聞きしてたんだ。見つかったと思ったスピノザは逃げるためにスピードを上げる。
「逃がさないよ!」
「ど、どけっ!」
こっちに向かってくるなら好都合。両手を広げて止めようとしたらスピノザは構わず突っ込んでくる。引くわけには行かないしアッシュもいるから私はぶつかってでも止めようとそこに立つ。