33話 踏み出す一歩の勇気
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「アッシュ!どこへいきますの!」
「……散歩だ!話は後で聞かせてもらうから!おまえらで勝手に進めておけ!」
怒ってそのまま外へと出て行ってしまうアッシュ。どうも気の短い彼は少し遊ばれただけで血が上るようだ。今に始まったことじゃないけど。
「ありゃ、怒っちゃった。えへ~、失敗失敗」
「可愛いところがあるじゃないですか」
「もう!彼をからかうのはおやめになって!」
ああいう性格ならアニスとジェイドのおもちゃになりやすいよね。少し可哀想にもなるけど、人と距離を置くアッシュにはある意味ちょうどいいのかも。まあ、この二人を相手するのは誰でも大変なのは変わらないことは付け加えておくことにして。
「アッシュの言うとおりなら、研究者たちの協力を得るのは難しいのでは……」
「いや、方法ならある。ヘンケンっていう研究者を捜してくれ」
罪人扱いのルークとナタリアの言うことは聞いてくれないだろうし敵国のジェイドなんて逆に命を狙われるだろう。イオンがいないのではアニスとティアでもムリだ。だけど彼にしては珍しく何か企むような笑みを見せたガイがヘンケンを捜してくれと言った。
捜してどうすると問うルークにガイは、後のお楽しみさとウインクする。
「真咲はここで待っていて下さい」
「……やっぱり、ですか」
みんなが研究所へと向かおうと動き出したのを見て私も立ち上がろうとしたらがっつりと肩を掴まれて椅子へと戻される。予期していなかったわけじゃない。何せまだ体力は回復していないわけで、迷惑かけるのは一目瞭然。
「そうだな。でも、真咲一人にしておくのか?」
「たぶんすぐにアッシュが戻ってきてくれるよ」
実際は戻ってこないと思うけど。と胸中で呟く。それもそうだな、じゃあ待っててくれ、と外へと歩き出すみんな。一人歩き出さないジェイドは私の耳元に顔を近づけ、大人しく待っていなかったらお仕置きですよ?と囁いて宿を後にした。わざわざ耳元で……や、やられた。