33話 踏み出す一歩の勇気
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嘘を吐いた
けして許されない嘘を
それでも立ち止まれない
辛くのし掛かる現実でも
足を止められない
「真咲っ!!」
ジェイドからの宣言の後、体はまだ重く彼の手を借りてロビーへと向かった。あの告白も宣言も嘘ではないと証明するかのように、私の体を支える右手はしっかりと腰に添えられ左手は私の左手を掴んでいた。ロビーに着いたときに何を言われるかと不安だったけど幸いまだ誰も来ておらず、安堵の息を吐く。
ずっとは立っていられない私が椅子に座らされるとほぼ同時くらいルークを覗く全員がやってきた。私の顔を見るなりアニスが駆け寄って膝にしがみつく。
「もう大丈夫なの?まだ寝てなきゃ……」
「大丈夫。もう大丈夫だよ」
涙目のアニスの頭を撫でてあげる。心配かけ過ぎてるな。自分の危機を予期できてるのに理解できてないから周りを悲しませてしまう。ごめんね。ごめんね、と何度も謝罪の言葉を口にすればアニスはその度に首を振る。
「本当に大丈夫ですの?」
「君はすぐ大丈夫って言うから逆に心配だよ」
色々と反論が出来ない。どうしたものかと困惑の表情しか浮かべられないでいると、ようやく目を覚ましたらしいルークがロビーへとやってきた。
「おはよ……真咲っ!」
ルークも私の顔を見るなり走り寄ってきた。アニスみたいに泣きそうな顔で。不謹慎にも可愛いと思ってしまったけど、泣かないで?と大丈夫の意思表示に笑ってみせると、な、泣いてねーよ!と目元をゴシゴシ擦る。
「だ、大丈夫、なのか?」
みんな同じ事聞くんだから。とは言えあんな状態を見せてしまったから尚更なのかもしれない。死にかけた様子を二度も見たらさすがに、なのかも。