32話 たとえ罪と言われても伝えられぬ想い
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「何から何まですみません……」
私からは何も返せないのに。欲しくて欲しくて仕方なかった言葉も貰えたのにそれに答えられない自分が嫌になる。
「ああ、それと」
入れて貰った紅茶を人啜りして、胸中で溜息を吐くと目の前のソファーに座るジェイドがにっこりと微笑む。
「私はまだ諦めませんから」
「はい?」
何を唐突に言うのだろうか。目を丸くしてしまう。何を諦めないんだろうと首を傾げると、まだ笑顔のジェイドはこう言った。
「必ずあなたを私の物にします。これからは口説きに行きますので覚悟しておいて下さいね」
これ以上にないくらい満面の笑みを浮かべる。当の私は開いた口が塞がらない。えっと……諦めないってその事で、口説きに行くって。え、なに?自分の想い人に口説かれるの、私。
「あ、あの!」
「私はあなたを愛してます。それは変わりません」
顔が熱い。だってそんな臆面もなく面と向かってはっきりと『愛してます』とか言われたら照れるよ。それがどれだけ嬉しくてどれだけ苦痛か、この人はわからないから。愛してる……そう告げられればどれだか幸せか。
いつか告げたい。
……あなたを愛してる、と。
たった一言
こんなにも重い言葉はない
私は生きながらえた
それはいつまでか
私は……罪人です