5話 反撃の烽火
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私に出来ること
それはなに?
みんなのために何が出来る?
私たちはタルタロス内の奥の部屋に連れて行かれた。ルークとティアは二人で一つのベットに寝かせられていて、私はその反対側の壁側で膝を抱えるように座っている。膝の上に腕を置き、手は先程のまま握り締めたままで顔を埋めていた。頭が痛い。チーグルの森では右目が痛んだが、今度は頭が痛い。力を使ったからなのかな?よく分かんないや。コツコツと足音がする。私以外で足音を立てるのは彼だけだ。
「真咲」
彼――ジェイドは私の名を呼ぶ。返事はしないで、顔だけ上げるとジェイドは私の前で片膝をついた。
「両手の掌を見せなさい」
自身の手を出し、少し険しい表情をしてそう言った。何のことか分からないまま、握っていた両手を開いて上にする。
「ありゃ!?」
見せた掌には爪が食い込んで出来た傷があり、よほど強く握っていたのか血が出ていた。血が出るくらいの傷なのに気づかなかったなんて。
「ティアが目を覚ましたら治療してもらいなさい。それまでこれで我慢してください」
ジェイドは軍服のポケットからハンカチを取り出して、それを二枚に裂いた。裂いたハンカチを私の手に包帯の代わりにと巻く。
「…ありがとうございます」
顔は手のほうに、視線はジェイドに向けてお礼を言う。目の前の彼の表情は硬い。
「気づいてなかったのですか?」
声音も低い。怒ってるの?何で?私が勝手に怪我しただけなのに。
「……はい」
正直に答えれば、上から溜息が帰ってきた。自分で勝手に怪我したのに、なんでジェイドが怒るのだろう。