32話 たとえ罪と言われても伝えられぬ想い
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「でもそんな事、どうやって……」
「そのためだけの特別な譜陣を敷き、ディストが調合した第一音素から第七音素までを纏め目に見えるくらい濃度の高い音素を真咲の右目に直接注ぎ込んだと記してあります」
書類をパラリと捲り説明していく。音素をそんな風に使えるのかとガイがありえないと言った風に怪訝な表情を浮かべた。
「今の技術では無理でしょう。どうやら創世歴時代の技術を用いたようです」
ただし真咲に……ルーチェにのみ効果のある技術ですがね。と心の中で付け加える。この中でこれを知るのはジェイドとアッシュのみ。他のみんなは真咲の正体のことは知らないからそれは口に出来ない。
「詳しくはもっと調べないとわかりませんが、ただ一刻を争うのは確かです」
このままだと真咲の体力が保ちません。と最後にそう口にすると全員が黙り込んだ。数分、誰も喋らないでいるとアニスがおずおずと手を挙げる。
「もし、このままだと真咲はどうなっちゃんですかぁ?」
「血中音素の数値が低い状態を100%とするならばディストによって注がれた音素の分が体内で収まりきれなくなり暴れ、押さえきれなくなった分が暴走し、いずれ死に至ります」
長々と説明すると、そんな……とナタリアが小さく悲鳴を上げる。何の対処をしなければ死が待っているだけ。
「アッシュ」
「なんだ?」
机に向かって何かを書き出し、それをアッシュに差し出す。それを受け取り一度目を通した後、これは?とジェイドへと顔を向ける。
「それを用意して下さい」
「わかった。そのまえにイオンから、これを渡すように頼まれた」
メモと交換するようにアッシュが一冊の古びた本を取りだしそれを手渡す。