32話 たとえ罪と言われても伝えられぬ想い
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「こっちにこい」
ノエルとの再会を喜ぶルークたちに今度はこっちだと宿の奥の方へと進み出す。ともかくついて行こうとアッシュの後を追うと着いたのは宿の一室。
「さて……真咲は今どういう状態なのですか?」
「口で説明するよりこれを読んだ方が早いだろ」
未だ苦しみ続ける真咲。ディストに連れさらわれた後、何があってこんな状態になったのか。ヴァンの生きていたのかという言葉は、死ぬことが前提で何かを施したということ。アッシュから手渡された資料の束をパラパラと捲り読んでいく。次第に変わる顔色にルークたちも不安にかられる。
「何てことを!」
「ジェイド?何て書いてあるんだ」
一通り読み終えたジェイドは怒りを露わにし、苦しむ真咲に目を向ける。ジェイドの様子に何が書かれていたのかと問うと、すみません。一言謝罪し、怒りのせいで失った冷静さを取り戻す。
「時間がないようなのでまずは簡潔に説明します」
時間がない。その言葉に息を飲む。放っておけば死が待っていると確信し、ジェイドに続けてくれと促す。
「どうやらヴァンはディストを使ってある実験を施したようです」
「……実験?」
ルークがゴクリと唾を飲む音がした。人間を使っての実験と聞き、表情が強ばる。
「……真咲の体の血中音素が常人より少ないのは皆さんも知ってますね?ヴァンとディストはそれを無理やり増やす実験を試みました」
いつ乖離して消えてしまうかもしれない体。第一から第六音素は僅かでも敏感に反応し、譜術攻撃を掠りさえしただけで普通の人の倍以上のダメージを受ける。反対に第七音素は受け入れることが全く出来ず、些細な傷でさえ一度の治癒術では治すことが出来ない。それはアクゼリュス崩落の際に全員が知ることとなった。