32話 たとえ罪と言われても伝えられぬ想い
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「あれは預言通りに歴史が進んでいると思わせるための捨てゴマだ」
「その言葉、取り消して!」
完全にルークを否定する言葉に怒りを露わに声を上げたのはティアだった。だがヴァンは彼女を諭させるように目を覚ませ、パッセージリングを再起動させてもセフィロトが暴走しては意味がないと言う。ティアは太股のホルダーからナイフを取り出し構えると、リグレットがヴァンを庇うように前へと出る。
「かまわん、リグレット。この程度の敵、造作もない」
「ティア。武器を収めなさい……今の我々では分が悪い」
「ああ。この状況じゃ、俺たちも無傷って訳にはいかない。たとえ相打ちでも駄目なんだ。外殻を降下させる作業がまだ残っている……それに」
ジェイドが武器を構えるティアを制すると、それにガイが同意しジェイドの腕の中の真咲を見る。ティアも真咲を見て、無言でナイフをホルダーへと戻す。
「……ヴァン、ここは互いに退こう」
アッシュが今はこのまま互いに退こうと言えば、よろしいのですかとリグレットが伺う。アッシュの機嫌を取ってやるのも悪くなかろう。とヴァンは笑みを見せルークらに背を向ける。
「主席総長の話は終わった。立ち去りなさい」
命令調にリグレットが言えば退出せざる得なく、ともかく出ようと部屋の外へと足を向ける一同。先ほどの件がよほどショックだったのかルークは一度、ヴァンの方へと視線を向けるがヴァンは背を向けたままだった。
「あー怖かったぁ~」
あの空気がなのか、部屋の外に出るとアニスが脱力したように肩を落とし息を吐く。好都合とは言え、敵大将と対峙していたのだ。もしかしたらここでの一戦がなかったとも言い切れない。
「……大佐、すみませんでした」
「いいですよ。早くここを出ましょう」
一触即発な状態に陥らせたことを謝罪するティア。あのまま何かあれば問題だっただろうが、互いに退くことが出来たなら気にしなくていいとジェイド。