32話 たとえ罪と言われても伝えられぬ想い
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「……生きていたのか」
ボソリと呟くヴァン。それを余所にアッシュはジェイドの前へと近づく。
「……真咲」
「まだ安心するんじゃねぇ」
アッシュから真咲を受け取る。苦しそうな息遣いをする彼女の体をそっと抱きしめる。無事とは言えないが確かにその温もりを感じることが出来る。ただ何故顔色が青ざめ苦しそうに呻き続けているのか、アッシュも安心するなと言うのかがわからない。
「おまえが連れだしたのか」
「あのまま死なせるわけにはいかないからな」
死……その言葉にルークらが息を飲む。真咲の姿を見たときに、ヴァンも生きていたのかと言った。もしアッシュが助け出さなかったら死んでいたというのか。
「……うっ……ヴァ、ン…」
「真咲!」
左目だけを開けヴァンへと視線を向ける。睨みつけるように見るが、その瞳に力強さはない。
「あのまま死んでいれば楽でいられたものを……だが、それも時間の問題か」
ふっ、と笑みを零し真咲からアッシュへと視線を変える。
「そして……待ちかねたぞ、アッシュ。おまえの超振動がなければ、私の計画は成り立たない。私と共に新しい世界の秩序を作ろう」
もはや真咲には興味がないというようにアッシュへと手を差し出す。何処から来るのか余裕の笑みを見せて。
「断る!超振動が必要なら、そこのレプリカを使え!」
「雑魚に用はない。あれは劣化品だ。一人では完全な超振動を操ることも出来ぬ」
今まで信じていた師からの言葉。その辛らつな言葉にショックを受けるルーク。心の何処かでもしかしたらと信じていた。だが、アクゼリュス以来のその師の姿に愕然とせざる得なかった。