32話 たとえ罪と言われても伝えられぬ想い
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……ごめんなさい
何度口にしようとも
けして許されない
偽っているのは他の誰でもない
私だから
「ベンケンドに向かう」
あれからしばらくして戻ってきたアッシュ。みんなはどうしたか、間に合ったのかを問えば、バチカルを出てイニスタ湿原へと向かったと。そこからベルケンドへと向かわせ合流すると。その際に時間がなくて私のことは伝えていないと。それはそれで別に構わない。
「おまえたちはここで待っていろ」
ベルケンドに着き、また狙われると行けないからこの宿屋で待っていろと言う。アッシュの名前で部屋を取っているから誰かが入ってくることはないだろうと。
「わたしも…いく……連れてって……」
大人しく待っているつもりはない。みんなが、みんながいるのなら早くその無事な姿を確認したい。私の姿を晒すのは正直気が引けるけど。
「……真咲さん」
「わかった。しっかり掴まってろ」
一度はベッドに寝かされたけど、再びアッシュは私を抱き上げる。マルクトの軍服を着た女をこんな風に連れているせいか周りは何だ?と言うような目でアッシュを見ていた。せめて上着は脱ぐべきだったかな。休戦中とは言え敵国の軍人がローレライ教団の人間に連れられているのだから目立つのは当たり前だった。
「……アッシュ。ありがと……ぐっ!いや、うぅっ!!」
「真咲!?」
何だかんだと助けてくれるアッシュに礼を述べようとすると、発作の様に起こる激痛。痛みを耐えるためにアッシュの法衣を力の限り握る。痛みに耐える中、時間がねぇ。そんな言葉が聞こえた。時間がない……それを考えるまでもないだろうけど、今は――