31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「真咲さん!」
ダアトから少し離れた森にアルビオールが停泊しており、中に入ればノエルの姿があった。無事な姿に安心する。
「ノエル……無事で、よかっ……うっ、ぐっ!」
「真咲さん!?大丈夫ですか?」
絶え間ない痛み。大丈夫の一言も言えない。この痛みはいつまで続くのか、消すことが出来るのか。私はどうなるのか。諦めるわけには行かない。でも耐えきれないほどの痛みが走る度に心は折れそうになる。
「バチカルへ向かえ」
「でも……」
「ノエル、お願い……」
何はともあれここでこうしていてもどうにもならない。行くべきはバチカル。
「わかりました」
ノエルは強く頷いて操縦席についてアルビオールを発進させる。
「……アッシュ」
力なく彼を呼ぶ私を、何とも言えない表情で見る。よほど今の私は酷い状態なんだろう。ノエルは見るなり泣きそうな顔するし、アッシュは眉間に皺を寄せっぱなしだし。ああ、これはいつものことか。
「もし……私に、何かあったら……」
「余計なことは考えるな」
私の言いたいことを察したのか、アッシュは私の言葉を遮るようにそう言った。遺言じみた言葉は聞く気はないと言うことなのか。元々、私の知る未来を聞く気はないと言っていたのだから、そうなのだろうけど。
「……ありがとう」
助けてくれて、側にいてくれて。あの部屋の冷たい床の上で潰えるのかと思ったら怖かった。元々長くはない命なのに、一人で死ぬのは怖いと思ってしまった。みんな、心配してるかな?ルークとアニスなんか泣いちゃうかな?会いたいけど、私のせいで泣かせちゃうのかもと思うと複雑。こんな時なのにかこんな時だからかあの人に会いたい。抱きしめてもらいたい。そう思う私は罪人ですか?