31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「ルーク、何を言ってるの!」
「だってそうだろ。俺が生まれたから、この世界は繁栄の預言から外れたんだ!」
だから預言ないセフィロトの暴走が起きた。思わず立ち上がったティアにすでに絶望したようにそう言うルーク。彼には自分という存在が重荷なのかもしれない……そうさせたのは私がレプリカという技術を開発したからなのか。そんなことを言ったら真咲は怒りますかね?
「おまえ、何言ってんだ」
「そうとしか思えないよ。それにティアだって言っただろう。ユリアの預言には、俺が存在しないって」
どうやら相当重症のようですね。重荷以上に思っているようだ。こうも変わるものでしょうか。根本的なものは変わらないが、前のルークなら何で自分が死ななければならい。死ぬなら本物のルークであるアッシュのはずだと駄々をこねるように言っていたはずだ。
「馬鹿!」
「ば……馬鹿とはなんだよ!」
ルークの言葉にティアが大声を上げる。端から見ると痴話喧嘩に見えると思うのは私の心の中だけにしておきましょう。
「私はただ、あなたがユリアの預言に支配されていないのなら、預言とは違う未来も創れるって、言いたかっただけよ!」
「……ティア……」
少し涙声になる彼女の体は微かに震えている。怒りからか悲しさからなのか、正直私にはわからない。もしかしたら両方なのかもしれない。
「あなた、変わるんじゃなかったの!?そんな風にすぐ拗ねて!もう勝手にしたらいいわ!」
「ティア……ごめん……」
背を向けたティアに謝るルーク。何も返事をしない彼女にもう一度、ごめんと呟くように言った。
「二人とももういいでしょう?ルーク、そんな事ばかり言っていると真咲にも叱られますよ?」
彼女は誰よりもあなたを心配し信じてるんです。それに報いるなら、自己犠牲的なことは言わないことですと、私が言えばそうだな。と力なくだが彼は返した。