31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「真咲……大丈夫かなぁ…」
そう呟いたのはアニス。不覚にもディストに捕まった私たちはダアト港から船に乗せられ船室に閉じこめられた。目的地はバチカルとわかっている。これから起こるだろう事をどう突破するかを考えようにも真咲の事が頭から離れない。彼女を捕らえてどうするつもりなのか。ヴァンや六神将は真咲の正体を知っているから仲間へと引き入れるつもりなのか。ノエルという人質を考えるなら彼女は二つ返事をせざる得ないかもしれない。
「ジェイドは心配じゃないのか?」
「心配ですよ。あのバカに捕まったと思うと。ですが私たちも自分たちのことを考えなければなりません」
腸が煮えくり返るくらい……自分が情けない。愛する人一人守れず、言いなりになるしかないことに。今この瞬間、無事でいるのか。何が目的で真咲を連れて行ったのか。助けるにも現状を打破しないことにはそれもままならない。只でさえ今向かっているのはバチカルだ。
「ノエルは大丈夫でしょうか」
「ダアトは宗教自治区だもん。むやみに殺されるようなことはないと思うけど……」
真咲も心配ですが好意で協力してくれているが民間人であるノエルの安否も気になる。アニスの言うとおりダアトは宗教自治区だ。ただ預言を乱す者に協力したと言う理由付けて何かしないとは限らない。イオン様が残っている以上、大丈夫と思いますが。
「俺たちはどうなるんだ?」
「ルークは処刑されるでしょうね。預言通りにするために」
本来ならアクゼリュスで死んでなければならない。が、預言通りに戦争を起こしたいモースのことだ。適当に言い繕ってルークを殺し戦争を再開させマルクトを滅ぼす気だろう。
「……その方がいいのかもな」
私の言葉を聞いてか、小さな窓から外を眺めるルークがぽつり呟く。