31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「真咲をどうするつもりです」
「あなたには関係ありませんよ。真咲、わかっていますね?」
私が来なければどうなるか。ノエルを殺しはしなくても傷つけることはしないと限らない。首を振ることが出来ないことをわかっていて聞いているんだ。
「真咲!」
「ルーク。ナタリアをお願い。全てを諦めないでね」
一歩前へと歩き出した私の腕を掴んだのはルーク。この後、ルークとナタリアには辛い決断が迫られ、現実を見ることとなる。その中にも光はある。だから、諦めずにいて欲しいとだけ伝えて私はディストの元へと歩き出した。
「ノエルには手を出さないで」
「あなたが大人しく言うことを聞いていれば」
正直怖い。足元が闇で覆われて沈んでいくんじゃないかってくらい怖い。でも、ノエルに何かあってはならない。私の知らない展開のせいで、この後、アッシュがノエルを助けるという内容が狂ってしまってはいけない。ディストは私の肩を抱き、ノエルと数人の神託の盾兵を連れて再び教会へと向かった。後ろからルークとアニスが何度も私の名を呼ぶ声がした。
「……ここは」
連れてこられたのは前に教会内に侵入するときに入った神託の盾騎士団の本部。地下へと連れてかれた際にはノエルは別の兵士に連れて行かれ、私は二人の兵士に両手を取られてある部屋にいた。大きな机にはたくさんの資料と思われる紙の束や本。試験管などの実験器具に譜業。
「私の研究室です」
まあそうだと思ったけど……ここに連れてきてどうするつもりだろう。逃げ出すことなんて出来ないのに、両腕はがっしりと掴まれている。
「あなたには……少々私につき合ってもらいますよ」
口の端を上げて笑うディストの顔を見たら、背筋に悪寒が走り汗が一筋流れた。一瞬目の前が真っ暗になる。それはいつか見た夢のよう。