31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「大詠師モース、もうオールドラントは、ユリアの預言とは違う道を歩んでいます!」
「黙れ、ティア!第七譜石を捜索することも忘れ、こやつらとなれ合いおって!」
外へと出て街の入り口まで駆けるとモースと多数の神託の盾兵が待ち伏せていた。ティアはまだ信じてるのかわからない。でも説得するように懸命には話すが、預言に囚われたモースには届かない。その隙にとジェイドが譜陣を展開し、詠唱を始めたときだった。
「抵抗はお止めなさい、ジェイド。さもないとこの娘の命はありませんよ」
珍しく地に足を降ろしているディストと譜業椅子に座らせているノエルは気を失っていた。それを見たみんなは息を飲み、動きを止めた。こうなるのを知らなかったわけじゃない。忘れていたというのは言い訳に過ぎない。画面越しとは違う、目の前で流れる全ては私が知っているという事実を少しずつシナリオ内の人物へと侵食していくよう。
「はーっはっはっはっ!いいざまですね、ジェイド」
「お褒めいただいて光栄です」
優位に立ったことがよほど嬉しいのかいつも以上の高笑いをするディスト。けどジェイドの更なる余裕を見せるとピクッと眉を動かす。
「誰も褒めていませんよ!」
「俺たちをどうするつもりだ」
ノエルという人質に何も出来ない私たちをどうするかはわかっている。
「バチカルへ連れて行く。そこで戦争再開のために役立ってもらうのだ」
「ですがその前に……真咲」
ここで連行されるはずなのに何故か私の名前を呼ぶディスト。またシナリオとは違うことが起き、驚いて返事も出来ない。私一人が名指しされてみんなも驚く。
「あなたは私と来て頂きます」
「……私?」
こっちへ来いと言わんばかりに手を差し出すディスト。意味が分からない。何でディストが私を?地に足が埋め込まれたように動けない。