31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「皆さん!?どうしてここに……」
図書室に向かえばイオンはすぐに見つかった。私たちの姿を見たイオンは当然ながら驚きの表情を浮かべる。ルークが預言にセフィロトの暴走について詠まれてなかったかを問う。イオンと別れてからのことを説明すると彼は何か考え込むように視線を下に向ける。
「……なるほど。それは初耳です。実は、僕は、今まで秘預言を確認したことがなかったんです」
「え!?そうなんですか?」
導師であるイオンが秘預言を確認したことがないと聞いてアニスが声を上げる。もし知っていたなら、ルークのことは出会ってすぐに何者かわかったと、アクゼリュスのことも回避できただろうと。そう言うとアニスも他のみんなも納得したように頷く。
「……ですから僕は秘預言を全て理解するためにダアトに戻ったんです」
「でもその秘預言に、セフィロトの暴走のことは……」
多少の危険はあるのはわかってるものの秘預言を確認するためにはダアトに戻るしかなかった。けどその秘預言にはセフィロトの暴走のことについては何も詠まれていなかったと。念のため、礼拝堂の奥に調べに行こう言うイオンにルークが首を傾げる。
「譜石が安置してあります。そこで預言を確認できますから」
「イオン様!それは体に障りますよぅ!」
体の弱いイオンが秘預言を詠めば体に支障をきたすとアニスが止めるが、イオンは必要なことだから止めないでくれと。現状のことを考えるなら秘預言を知る必要があるからそれ以上は強くは止めることはできなかった。
「行きましょう」
譜石が安置してあるという礼拝堂へと向かう。先ほどの騒ぎのだろう、時間がだいぶ経っても人は相変わらず疎らで、礼拝堂も誰もいない。預言を詠むどころでもないと言ったところだろうか。今はちょうどいい。