31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「……今の話を聞くと、モースとヴァンはそれぞれ違う目的の為に動いているようですね」
「ああ、なんかディストが自分の目的ために、二人の間でコウモリになってるって感じだな」
自分の目的が遂行出来るならどちらの顔も立て、己の利益を蓄積させていく。ディストにとって大切なのは世界ではなくて、蘇らせたい過去の栄光と言ったところか。あの幸せだった頃に戻りたいからその為ならコウモリになることも厭わないのだろう。
「モースは預言通りに戦争を起こしたいだけ。ではヴァンの目的は?」
「外殻大地を落として、人類を消滅させようと……」
モースの目的など単純明快。全ては預言通りに起これば他がどうなろうとどうでもいい。あれほどわかりやすいのもないくらい。ただヴァンはどうだと言うジェイドの質問にティアが答えようとするけど、彼は首を振る。意味のない殺戮をするのが目的とは思えない。モースのほうは明快すぎて脅威は感じない。
「預言通り事を起こしたがってるなら預言を知って先回りをすればいいよ」
「真咲の言うとおりだな」
脅威に感じないならその元を断てばいい。モースの目的を断つ手段はあるけど、でもそれも簡単ではない。
「なら、まずは明快な敵の方を片づけようぜ。インゴベルト陛下にモースの言葉を鵜呑みにしないように進言して、戦争を再開させないように……」
「……でも、わたしくの言葉を……お父様は信じて下さるかしら」
ケセドニアでのことがナタリアに不安を募らせる。ルークが当たり前だかと何を言ってるんだと叫ぶがナタリアは本当の娘ではないかもしれない。と消えそうな声で言うとみんな黙り込んだ。この空気に耐えられなくなったのかアニスがその時はその時だ。だから今は図書室にいるイオンに会いに行こうと言うとここにいても仕方ないとみんな頷いてイオンの私室を後にした。