31話 羽をもがれても望むべき光がある
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「イオンの奴、どこに行ったんだ」
たぶん私室にいるだろうとジェイドが言うが導師の私室ともなると教団の幹部しか入れない鍵代わりになっている譜陣が置かれていてそんな簡単には入ることは出来ない。けどそれは元って言うと怒るだろうけど、導師守護役のアニスのおかげで入ることが出来た。ただ当のイオンは居なかった。私の知ってるとおり、と言うべきだけど。
「しっ、静かに。誰か来るわ!」
「ヤバ……ここは関係者以外、立ち入り禁止だよぅ!」
外からの足音に慌てて隣の部屋へと隠れる。私たちが隠れるとほぼ同時に部屋へと入ってきたのはモースとディスト。
「ふむ……誰かここに来たと思ったが……気のせいだったか」
部屋に入るなり中をキョロキョロと見回す。隣のアニスがあっぶなーいと小さな声を上げる。
「それより大詠師モース。先ほどのお約束は本当でしょうね。戦争再開に協力すれば、ネビリム先生のレプリカ情報を……」
「任せておけ。ヴァンから取り上げてやる」
ネビリムさんのレプリカ情報……か。当然だけど、ディストは諦めていない。きっと、ずっと。
「ならばこの『薔薇のディスト』、戦争再開の手段を提案させていただきましょう。まずは導師イオンに、休戦破棄の導師詔勅を出させるのがよろしいかと」
「ふむ。導師は図書室にいたな。戻り次第、早速手配しよう」
話を終えたモースとディストは部屋から出ていった。二人が出ていったのを確認して、張り詰めて重かった空気も落ち着き、一斉に息を吐く。呼吸するだけでも気付かれるのでないかとドキドキしてたし。あれがモースとディストだから気付かれなかったけどリグレットやシンクだったらすぐにバレていたかもしれない。