31話 羽をもがれても望むべき光がある
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夢は真か……
力の意味を知りても
扱う力は無く
持て余す事しか出来ない
それは永遠の後悔
「いつになったら船を出してくれるんだ」
「港に行ったらここで聞けと追い返されたぞ!」
ダアトに辿り着き、教会への階段を上ると扉の前には多くの人が集まっていた。それに対応しているのは詠師トリトハイムだ。
「ルグニカ大陸の八割が消滅した!この状況では危険すぎて、定期船を出すことはできぬ!」
押し掛ける人々に大きな声を上げて説明をするが、その話を聞いても嘘だとそんな訳がないと更に騒ぎ出す。トリトハイムはそれが原因でマルクトとキムラスカの戦争も休戦した。詳しい情報がわからないと船が出せないと更なる説明をする。あれだけ大きな大陸の八割が消えたと聞けばそんな簡単に信じられないのは確かなはず。仕方ないと人々はブツブツとまだ文句を言いながら教会から去り、トリトハイムも疲れたような息を吐いて教会の中へと戻っていった。
「この状況で戦い続けるほど、インゴベルト陛下も愚かじゃなかったってことだな」
「ええ、それだけが救いですわ」
休戦情報には安堵する。たぶん大陸ごと崩落に巻き込まれた兵士たちはその現状に驚き、理解が出来ないから互いに下手には手が出せないと言ったところかもしれない。
「でも、このことがもっと大勢の人に知られたら、大混乱になるな……」
「この先どう対処するかがわかれば、それも抑えられる筈よ」
不安そうに去っていった人々を見て、この先のことを心配するルーク。そのためにも今はイオンに面会しようと私たちも教会の中へと入る。この騒ぎのせいなのか、教会の中も閑散としていて教団の者らしき人すらも疎らにしか見当たらない。皆、普段通りにはしていられないと言うことなのか。