30話 蝕む闇に近づく者へ
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「うわっ、あのセフィロトツリー、おかしくないか?」
「眩しくなったかと思ったら消えかかったり……切れかけの音素灯みたい」
アルビオールで空を飛ぶことしばらく、どこか皿の様子のおかしさに気付く。それを見てジェイドの顔も険しくなる。嫌な予感ほど当たるものはない。
「やはりセフィロトが暴走していましたか……パッセージリングの警告の通りだ」
「セフィロトの暴走?」
問うアニスにジェイドは頷き説明を始める。何らかの理由でセフィロトが暴走し、ツリーが機能不全に陥っていると。地震が多いのも崩落のせいだけではないと。
「待って下さい!ツリーが機能不全になったら、外殻大地はまさか……」
「パッセージリングが耐用限界に到達と出ていました。セフィロトが暴走したためでしょう。パッセージリングが壊れればツリーも消えて、外殻は落ちます。そう遠くない未来にね」
ジェイドの言葉に全員が顔色を変えた。ユリアシティの人々も知らないだろうと聞けば更に。テオドーロは確かにこれ以上外殻は落ちないと言っていた。預言はユリアのものとは変わり始めている……いや、変えられた。
「なあ。ケセドニアも、セフィロトの力で液状化した大地の上に浮いているんだよな?なら、パッセージリングが壊れたら……」
「泥の海に飲み込まれますね。液状化した魔界の大地が、固形化でもするなら話は別ですが」
みんな必死の思いでエンゲーブの住民をケセドニアまで運び、更に崩落の危機に瀕したケセドニアを救うべくザオ遺跡のセフィロトに向かったというのにこのままではそれも無駄になってしまう。
「そもそも、瘴気の汚染と液状化から逃れるために、外殻大地を作ったのでしょ?」
外殻大地を作った者らでも液状化する大地をどうにも出来なかった。出来ないから外殻大地を作った。それをどうしろというのか。