30話 蝕む闇に近づく者へ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「体調管理も出来ないなんて、兵士として失格ね」
「兵士とかそんなことを気にするより、もっと体の心配なさい」
ルークに支えられながら立ち上がるティアが自嘲にも似た笑みを零す。自分の心配より軍人失格だと言う彼女に少しキツい口調のナタリア。人にもだけど自分には一番厳しい彼女だからこそ自らの体に気を使ってほしい……立っていられないくらい瘴気に侵されているというのだから。大丈夫だと笑みを浮かべるティアに念を押すように本当にいいのか更に問う。
「あ、ありがとう。でも本当に平気よ」
「それなら外に出ましょう。魔界に辿り着いているのか、確認した方がいいですから」
無事に降下できたのか確認すべく各々、外へと歩き出す中、まるで固まったまま動かないガイ。どうしたものかとジェイド顔を見合わせる。
「……弊害が出ていると考えるなら、原因を探った方がいいですよ」
「……でも、焦らないでね?」
「え?ああ……そうだな」
私たちが声を掛けるとようやく気が付いたのか数回瞬きをした後、苦しそうな表情で頭を掻くガイ。わかってはいるけど体か勝手に反応してしまう。
「そうとう重症のようですね」
「……今は、仕方ないです」
彼が原因を思い出すのはもう少し先のこと。辛い記憶が蘇ったとき全てが思い出される。
「間違いなく、魔界だな……」
外に出れば日のない瘴気で覆われた世界。けど無事に降下できたことは確認できた。
「でも、ここからどうやって外殻に戻るの?」
「そうか。アルビオールはまだ戻ってなかったな」
前はタルタロスがあってアクゼリュスのセフィロトから吹き出る記憶粒子を利用して上がったけど今はない。
「合流場所はケセドニアです。ノエルの腕なら、降下中の大陸にも着陸できたとは思いますが……」
「とりあえずケセドニアに行ってみましょう」
ノエルも無事にケセドニアへ来ていることを祈って砂漠を歩き出す。