30話 蝕む闇に近づく者へ
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「完全に投下したようです。パッセージリングにも異常はないですね」
ただ待つだけは苦痛に近い物だったけど、何事もなく大地が降下するのを確認せねば安心して離れることも出来ない。
「よかった……へへ、何かうまく行きすぎて、拍子抜けするぐらいだな」
「あんまり調子に乗らない方がいいんじゃないですかぁ?」
安堵からか緊張の解けたへらっと笑みを浮かべるルークにアニスからのキツい一言。それには、それもそうだとしょんぼりと項垂れる。肩もがっくりと落としてさっきまでの嬉しそうな笑顔はすっきりと消えてしまった。
「お、しおらしいな」
「調子に乗って取り返しのつかねぇことすんのは……怖いしさ」
ルークにとってのトラウマ。一度自覚してしまった恐怖はそんな簡単には忘れられない。ゲームの時とは違い、アクゼリュスの多くの住民は助けられたものの街一つを崩落させてしまったことは事実として変えようがない。
「ティア。んな顔しなくても、俺、もう暴走しねーって」
一人険しい顔をしているティアにルークが気付いてあんな真似はしないと固く誓うように言う。
「ううん。そうじゃないんだけど……」
「きっと疲れてるんだよ。なんだかんだで降下に丸一日以上かかってるもん」
些か顔色の悪いティアに疲れのせいだと言う。元々色白なティアだけに今の彼女の顔色は蒼白と言ってもいい。やっぱり私よりティアのほうが瘴気を体内に蓄積させているんだ。虚ろな目をしていたティアがその場に倒れた。一番側にいたガイは女性恐怖症のせいかティアが倒れてきても避けてしまうだけで助けることが出来ない。
「おい、大丈夫か!?」
すぐにルークがティアを抱き起こすもののガイはまだ動けないまま。これに険しい顔をするのは私とジェイド。ある意味、ルーク以上にトラウマを抱えているのだから仕方ないのかもしれない。