30話 蝕む闇に近づく者へ
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「なんて書くんだ?」
「ツリー上昇。速度三倍。固定」
ジェイドの指示に合わせて円形の図に必要な命令文を超振動を使い刻み込んでいく。普通に字を書くのとは違うからルークの必死さがこちらにまで伝わってくる。
「……っ」
蓄積させた瘴気が体を重くする。私が辛いのは入り込んでから少しの間。その後もダルさなどは感じるけど、たぶんティアほどじゃないんだろうな。にしても……私の場合慣れるのかな?やっぱり、ジェイドに話しておこうかな。うん、無言の圧力を食らう前に報告しておこうかな。
「うまくいったみたいだな」
「でもエンゲーブが……」
「続いて第四セフィロトから、第三セフィロトに線を延ばして下さい」
最初の命令文に反応を示す。けどそれだけではエンゲーブは救えない。ジェイドが更に指示を出せばルークは頷いてそれに従い文字を刻んでいく。
「あとは第三セフィロトに、先程と同じことを書き込んで下さい」
「第三セフィロトってのがシュレーの丘なんだな。やってみるよ」
すでに結構疲れてるだろうに、額に汗を浮かべながらルークは更に書き込んでいく。ルークの書いた命令文に反応してセフィロトから記憶粒子が発生し始める。すると、ずんっと少し揺れたかと思うとゆっくりとだけど沈んでいく感覚が体に伝う。
「……降下し始めたようですね。念のため降下が終了するまで、パッセージリングの傍で待機していましょう」
ケセドニア付近の大陸がゆっくり降下を始めたのは確かだけど、それが最後まで続くという保証はない。もしもの場合、ここに留まっていればセフィロトにすぐ指示が出せるから。
「……ジェイドさん」
緊張は続く。各々がそれを保ちながら短いようで長い時間を待つ中、セフィロトの異常をすぐに発見できるようにか頭上を見上げるジェイドに話し掛ける。